Liberation Day2020(解放記念日)


  私たちの「友情のサビーナ・オーケストラ」「アンサンブル・サビーナ」と20年以上にわたって交流している、イタリアのサビーナ地方出身の4人の音楽家から送られてきた、彼らのアンサンブル演奏の動画のご案内をさせていただきます。

 タイトルは「Liberation Day 2020(2020年 解放記念日)」で、 演奏しているのは、「友情のサビーナ・オーケストラ」を共に立ち上げたトランペットのヴィニーチョ・アレグリーニ(カリアリ歌劇場管弦楽団首席奏者)、ホルンのアレッシオ・アレグリーニ(サンタ・チェチーリア管弦楽団首席奏者)、同じくホルンのサビーノ・アレグリーニ(フリーランス)の兄弟と、彼らの友人でトロンボーンのエンツォ・トゥリツィアーニ(ウィーン管弦楽団首席奏者)です。

 彼らは、「Musicians For Human Rights(人権の実現を目指す音楽家たち)」のメンバーとしても活躍しており、この動画はそのホームページやユーチューブで公開されています。


 イタリアでは、毎年4月25日は「解放記念日」として、国民の祝日になっています。この日は、第2次世界大戦の終わりにイタリアを占領していたナチスドイツが、連合軍の侵攻とイタリア国民によって組織されたパルチザンとの戦闘で降伏し、戦争が終結した記念日です。
 
 そして毎年、イタリア各地でこの日を祝う行事が開かれています。実は、アレグリーニ3兄弟の祖父アドルフォさんとその兄弟ヴィットリオさん、そしてエンツォの大おじレデントさんは、サビーナ地方でナチスと戦ったパルチザンでした。


 自分たちの家族の歴史を大切に思っている4人の音楽家は、4月25日の「解放記念日」のメモリアルとして、この動画を作成し、多くの人々にご覧いただくことを希望しています。

 演奏曲は、歌を通じて社会変革を目指したチリのフォルクローレグループ〝インティ・イリマニ″のフォルクローレ「canción a victor(勝利への歌)」です。インティ・イリマニは、1973年にチリで勃発した軍事クーデターの際に民主主義的活動家であるとして国外追放となり、公演先のイタリアで15年にわたる亡命生活を余儀なくされた音楽家たちです。この「勝利への歌」は、彼らと同時期にチリで自由と正義のために戦い、1973年のクーデターの折に処刑された詩人でミュージシャンのvictor jara (ビクトル・ハラ)への尊敬と追悼の意を込めて作られました。どうぞ、ご視聴ください。